スタインウェイとは
1853年にヘンリー・スタインウェイがニューヨークのマンハッタンに最初の工場を設立したことからスタインウェイ&サンズの歴史は始まりました。それ以来、スタインウェイは妥協を許さないクラフトマンシップと革新性により、世界で20人中19人のコンサートピアニストに選ばれるピアノの頂点に立つブランドであり続けています。
スタインウェイは、轟くような低音、澄み切ったベルのような高音、温かく豊かでカラフルな音色、そして長いサステインで知られています。 このスタインウェイ・サウンドを生み出す重要な要素として、各所に最高の素材を用いていること、そして熟練した職人による手作りで行われる高度な製造手法と工程があげられます。そのうちのいくつかをご紹介しましょう。
一体成形のベンディングリム
一体成形のベンディングリムはハードロックメープル材から構成されており、内リムと外リムを一度の工程で同時にプレスして成形することで作られます。他メーカーが内リムと外リムを別々にプレスする中、スタインウェイの一体成形は困難なプロセスではありますが、響板から生じる音の振動がリムを通して外に逃げることなく再び響板に反射されます。その結果、より強い音圧、長いサステイン(音の伸びがよく、余韻が残ること)、そして豊かな音色のパレットが生まれるのです。
ダイアフラム構造の響板
響板はピアノの心臓部です。最高の品質基準を満たすために、アラスカ沖の島からのみ取れる細かく精密な年輪を描く上質なストレートグレインのシトカスプルース材のみが使用されます。
響板は中央から縁に向かって曲線を描き徐々に薄くなるよう加工されており、これにより柔軟性と自由な動きを実現します。そのことで他に類を見ないダイナミックレンジ、豊かさ、響き、色彩、そしてサステインが得られます。
アクション
スタインウェイのアクション機構は、スタインウェイ・サウンドの持つ豊かな音色のパレットとダイナミックレンジを最大限に引き出し、演奏者に比類ないコントロールとパワーを提供します。
その繊細で反応の良いタッチと素早い連打性は世界的に有名であり、スタインウェイ・アーティストたちに愛されています。
まず、各スプルース製鍵盤は手作業で一つひとつ重量調整されています。この手作業の調整により、高速な反復演奏と正確なタッチレスポンスが鍵盤全体で実現されます。
また、アクションを構成する数千にも及ぶパーツすべてが、スタインウェイによって設計され、厳密な許容誤差で製造されています。
さらに、スタインウェイのハンマーのフェルトには最高級のウールを使用しており、繊維の長い羊毛を自然な状態のまま用いています。このフェルトは、独特の梨型のハンマーヘッドに成形されます。
この最適な設計と最高品質の素材によって、スタインウェイのハンマーは他のハンマーよりも優れた音を生み出し、耐久性が高く、メンテナンス性にも優れています。
スタインウェイがスタインウェイである理由とは? ――それはその「比類なき響き」です。
スタインウェイピアノには多くの要素が詰まっていますが、特に一体成形のベンディングリム、ダイアフラム構造の響板、そしてスタインウェイ独自のアクション機構は、そのサウンドを生み出す上で非常に重要です。
スタインウェイの各ピアノは、世界最高のピアノであることの証です。轟くような低音、ベルのように澄んだ高音、そして温かく豊かな音色に耳を傾けてみてください。