中古スタインウェイは本当にお得?
スタインウェイ&サンズのショールームに、「中古のスタインウェイを探しているが、新品も試してみたい」というお客様がよくいらっしゃいます。試弾しての第一声は「全く音色が違う」「弾き心地が非常に良い」というもので、その後、費用等を比較した結果、新品をお求めになるケースが大半となっています。一方で「中古のスタインウェイを業者から買ったが、響板が割れていた」「中の部品が違うものだった」というクレームも多く弊社に寄せられていますが、非常に残念なことです。 昨今の為替やインフレの事情もあり、「新品のスタインウェイは高い」という固定概念が広まってしまっていますが、実際に様々な観点で比較するとそうでもないことが分かります。
まず、年数が経っている中古のスタインウェイで、状態が良いものは限られています。そもそもスタインウェイはメンテナンスがよく、純正のパーツで修理されているものは、年数が経っていても良いコンディションを保てますが、そのようなピアノは決して多いとは言えません。またピアノがよい状態にあるのかということもスタインウェイを熟知したプロのみが判断できることとなります。スタインウェイのプロを名乗るプロの中にも様々な方がおり、信頼できる方をどうやって探すのかという問題もありますし、またそのようなプロの方を介しての購入は、それなりのコストがかかってしまうのも実情です。
一方で比較的新しい年代の中古のスタインウェイについては、そもそも引き取り価格が高騰しており、流通コストを入れると新品とさほど大きな違いがなくなってしまうことは希ではありません。
スタインウェイをご購入の際は、まずは試しでも新品を検討いただくことをお薦めいたします。