Steinway Owner Interview

憧れのピアノが、かけがえのないパートナーに

- SPIRIO | r とともに歩む、新たな音楽人生 -

兵庫県伊丹市にある「ピアノサロン梅ノ木村」。オーナーピアニストの木村和世様は、子どもから大人まで幅広い世代にレッスンを行い、音楽を通じて地域に文化を届ける場を作ることを目指してサロンを運営されています。今回は、SPIRIO | r との出会いや日々のレッスンでの活用方法、そしてサロンに込められた想いについてお話を伺いました。

-本日はお時間をいただきありがとうございます。
スタインウェイ、そして SPIRIO | r にご興味を持たれたきっかけを教えていただけますか?

スタインウェイは、ピアノを弾く人にとって憧れの存在ですよね。小さい頃は、コンサートホールにある「特別な時だけ弾けるピアノ」という印象でした。学生になるとお値段の高さも分かってきて、「自分が買うものではない」と思うようになり、憧れの“高嶺の花”のような存在でした。時々ショールームでマホガニー仕上げのスタインウェイを眺めては、「ああ素敵だな…でも高いな」と思いながら帰る。そんな日々を長く過ごしていました。
購入のきっかけは、本当に“ご縁”だったと思います。子育てが一段落して、自分の時間が戻ってきた時に、ふと「スタインウェイ欲しいかも」と思ったのです。長年お世話になっていた音楽雑貨店の方に尋ねてみたところ、ちょうど関西に新しく店舗ができるそうだという話を聞いて、運命を感じました。

-本当にご縁ですね。

はい、その時点でもう「買う」と心がほぼ決まっていました。当初はハンブルク製のスタインウェイしか考えておらず、自動演奏機能付きの“SPIRIO”は広告で目にしたことはあっても、「スタインウェイに自動演奏なんて」と正直ちょっと否定的でした。
実際に試弾へ行った時、最初に弾いたのは目当てのハンブルク製でした。その隣に置かれていたのが、いまうちにいるニューヨーク製のSPIRIO | r でした。まだ整備前の状態だったのに、なぜかこの子が私を呼んでくるのです。「私にしない?」って。まだ音も聴いていないのに、見た瞬間に誘惑されていました。ニューヨーク製の独特の雰囲気と、ペダルにかけられていた赤いソックスもとても印象的でした。
その後、整備を終えた状態で再びSPIRIO | r を試弾することになったのですが、予算が一気に跳ね上がるわけです。「私、どうするんだろう」と思いましたが、後押ししてくれたのは夫でした。

-ご主人様がどんな風に?

彼はメカニック系に目がなくて。ピアノの構造に興味津々で、ショールームの床を這いつくばって、ピアノの裏側まで覗き込んでいました。お金のことは気にせず、純粋に自動演奏システムの精密な構造に惹かれていました。私はどんな音が鳴るかが一番気になっていましたが、彼は構造ばかりに夢中で。そんな後押しもあり、最終的に購入を決断しました。

-実際にご自宅で弾かれてみて、どのような変化や魅力を感じていますか?

自宅に迎えて初めて音を出した時、ショールームで聞いた時とは印象が違い、少し驚きました。場所によって楽器の響きが変わるのですね。しかし毎日弾いているうちに、まるで心が通じ合うかのように私の演奏に応えてくれるようになり、今ではかけがえのないパートナーとなっています。うちには他のメーカーのピアノもありますが、このSPIRIO | r は源氏物語の"藤壺"のような存在です。私の音楽人生に大きな変化をもたらしてくれています。

-特にお気に入りの SPIRIO | r の機能はありますか。

録音機能が本当に素晴らしいです。これまでも自分の演奏を録音で聴く機会は多くありましたが、「これ本当に自分が弾いてる?」と違和感を覚えることも多かったのです。でもSPIRIOで録音すると、これは間違いなく「私の音」と感じられる。自分の音として実感を持てるので、演奏を振り返ることにも前向きになれて、練習の仕方が変わりました。「音楽は消えもの」だと思っていて、以前は録音を聴き返すこと自体あまり好きではありませんでしたが、今は「録音→分析→改善」というサイクルが自然にできています。さらに録音機能を使って一人で連弾できるというのは何より楽しく、プログラムの幅も広がります。実際にサロンコンサートでも録音機能を使ったプログラムを取り入れています。

-レッスンではどのようにSPIRIOを活用されていますか。

ある程度曲が仕上がった段階で録音して、自分の演奏が意図通りか、何ができていて何ができていないかを言語化させています。日本人は“できていること”を言うのが苦手ですが、SPIRIOのデータはそれを明確にしてくれます。音のデータも細かく見ることができるので、「弾けているように聴こえるけれど、鍵盤の戻りが遅い」とか「指が触れていた痕跡だけ残っている」とか、そういう細かい部分まで可視化されます。結果として、生徒さんの演奏の完成度も自然と高まります。

-今後、レッスンで大切にしていきたいことは?

最近は、大人の方の指導に魅力を感じるようになりました。かつては子どもへの指導にやりがいを感じていましたが、今では初めてピアノを始めた大人の方が、心を込めて演奏される姿にこちらも胸を打たれます。70代、80代の生徒さんが、数曲だけでも弾けるようになって、ホームパーティで演奏すると、聴いた方が涙を流されることもあるそうです。技術の高さではなく、“伝わる演奏”がある。そうした瞬間に立ち会えることが、とても幸せです。

―サロン運営にも力を入れておられるとか。

このピアノを迎えてから、地域の音楽家の方々との繋がりがどんどん広がっています。自宅をピアノサロンとして運営していく中で、「音楽を通して、地域に文化を提供できる場をつくりたい」と思うようになりました。クラシック音楽はもちろん、文学や絵画、手仕事など、いろんな文化が交差するようなサロンを目指しています。そしてその中から、また次の才能が羽ばたいていくような、そんな場にしていけたら嬉しいです。

-本当に素晴らしい展望ですね。

私は“伊丹のジョルジュ・サンド”を目指しています。演奏家がふらりと立ち寄り、地域の方々が気軽に訪れて文化に触れられる。そんなサロンを育てていきたいと思っています。

-本日は貴重なお話をありがとうございました。

[ お問い合わせ窓口 ]
ピアノサロン 梅ノ木村
アメブロ:「ここはピアノサロン梅ノ木村」

サロンコンサートの様子をこちらからご覧いただけます
(2025年9月 / 次郎丸智希 編曲《ふるさとメドレー》)

 

▼ 木村和世様ご所有のSPIRIO | r の詳細、購入ガイドは下記よりご覧ください。

 

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